アフガンはタリバンに占領されても落ち着くことはない

 2021年8月15日、武装勢力タリバンはアフガニスタンの首都カブールを制圧し、これまでの政権が崩壊した。米軍のマーク・ミリー統合参謀本部議長は18日、米軍の訓練を受けたアフガニスタン軍がこれほど早く崩壊するとは誰も予測していなかったと述べているが、このシナリオを米軍は知らされていなかっただけである。この為にタリバンの行動見積もりが外れたのである。
 タリバンの諜報員と工作員はアフガニスタン政府軍組織に潜入して多大な影響を及ぼしていたのである。更にタリバンは中国とロシアの支援を受けている。また欧米もタリバンの派閥を武器商人を通じて支援している。表では各国政府間の助け合いが始まるが、裏でも反政府組織間の助け合いが始まっている。アフガニスタンは一国で何とかしようとしてもどうにもならないのである。それ故に表も裏も国際連帯が始まっている。もちろん極左の血を引く日本の某市民団体もタリバンを支援している。
 権力掌握後の記者会見でタリバン報道担当ザビフラ・ムジャヒドは「イスラム法の枠組みの中で女性の権利を尊重する。」と主張した。また「我々は内にも外にも敵を望まない」と穏健的に見える主張もした。
 これらはウソである。2~3ヶ月で彼等の本性は出て来る。
 既にその兆候として、タリバンの司令官は、占領地域の長老から未婚の少女や女性のリストを出させ、 タリバン兵士と結婚を強制している。以前は15歳から45歳までの未婚女性が対象だったが、今では12歳の子どもまでもが性奴隷の対象となっている。日本で12歳と言えば小学6年生である。親の立場として自分の小学校6年生の娘が何処の馬の骨とも分からないヤツの嫁になる事をどう感じるかである。日本人の常識からすれば異常な世界である。
 このままアフガニスタンでは、タリバンが政権を握りイスラム法に基づく統治が始まるのであろうか? タリバンと戦う抵抗勢力は存在するのだろうか?
 その答えは、アフガニスタンは元々一枚岩ではない為、これから部族間の抗争が始まり、長く続く事になる。上記で述べた様に既に武器・金・食料の支援が始まっているのがその理由である。内戦を止めるにはこれらの供給を止める事である。しかし、各国は金儲けの為、「アフガニスタンの困っている人々を助けましょう。」等の美辞麗句が使われ、何も知らない人々は募金の呼びかけに応じる訳であるが、集められた募金は困っている人々に直接渡ることがない。紛争の為の武器・食料になる。(参照:「募金システムと民主主義国家の不合理な現実」)
 更にアフガニスタン国内には少数民族が多数存在している。中でもイランと欧米の血が混じり、アフガニスタンという国が嫌いで、フリーメイソンとも繋がる民族がいる。欧米は、この民族を頼りに武器等の支援を開始している。
 中国はタリバンを支援してきたが、新疆ウィグル自治区で東トルキスタン・イスラム運動は活発化し、チベットも中国に対する不満が高まっている。だからこそ中国は国内の目を逸らす為に東シナ海、南シナ海に出る訳である。
 現在、タリバンはアフガニスタン国内だけではなく、既に複数の国に点在して拠点を構築している。パキスタンもその一つであり近い将来に内戦が発生する可能性がある。そうなるとカシミール地域での国境紛争にもタリバンが進出する事になる。
 紛争国が無くならない理由、その根本原因は欧米の政策にある。単純に言えば、昔は植民地を支配して金儲けが出来た。今は紛争国を作り出して金儲けをしている違いだけである。
 

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