一般国民の生活が更に苦しくなる日本

 2021年7月13日に掲載した「同時インフレに向かっている世界各国」の内容通り10月には日本も完全にインフレへ突入している。
 インフレとデフレについて学者は「インフレは企業の業績が向上し、賃金上昇となる為に経済活性化の良い循環を期待出来る。」、「デフレは賃金上昇が起こらず、消費が落ち込む事で経済が不活性化する為に企業業績が下がり続ける悪循環を生む。」等の勝手な事を言っている。そして日本政府と日本銀行は2013年からインフレを目指す政策を執ってきた。インフレによって貨幣価値が下がれば国の借金を目減りさせる事が出来て有利であるとも言って来た。
 これはウソである。一部の企業の為の政策であり、一般国民の事は全く考えていない。
 インフレとデフレは一般の国民にとってはどちらも悪い。しかし、現在の日本ではインフレの方がもっと悪いのである。
 なぜか? 先進国の中で唯一日本人の給与は20年以上も上昇しておらず、そこに物価上昇が起きるので生活は苦しくなるのである。
 小麦粉の値上がりから始まり、大豆、野菜、食用油、マヨネーズ、コーヒー、輸入牛肉等食品の値上げとなり、更には電気、ガス、水道、ガソリン、灯油の値上げが始まっている。食品は概ね20%のアップであるが、世界的規模で品不足を演出している事から、このまま維持できずに更に値上がりする可能性は高い。
 本来であれば、日本で生産する米、野菜、果物等は多くの国民に供給する為には安くて良い物が多く必要である。しかし、果物は良質で高価な物が海外で売れるとしてその様に指導してきた。その結果は一例であるが、シャインマスカット等の高級ブドウは20年で3倍以上の値段となり庶民には手の届かない物となった。キュウリも農協の指導により、真っ直ぐな物しか売りに出されていない。昔は曲がったキュウリは数多く販売されていたが、現在では商品として並べても売れなかった事で店頭から消えている。
 更に政府は田んぼを休耕地とする様に指導してきた。米の価格を維持する為に必要と言っているが、田んぼを寝かせると直ぐには復活しないのである。これは農地の廃棄と同じであり、危機管理から食料の確保という観点ではダメである。
 その結果として本来は安く手に入る物を見栄えの良さと味を重視する事から国民は高い値段で買わされているのである。一部が高い値段になると他の商品も値上げして行くのである。地方だけでなく都市部でも空き家が増加しているのに新築マンションを建設して販売している事も、おかしなものである。報道されていないが購入した家の支払いが出来ずに自殺する人も増えていると言う。
 値上げの3大要因として、人件費の上昇、原材料費の上昇、輸送コストの上昇が言われる。今回のインフレは自然的に発生したと信じている人達は多いが、支配層中間層の誰かがインフレへのゴーサインを出しているのである。新型コロナウィルスの影響で輸送業務の人員を確保出来ないと言っているのも言い訳である。
 日本の宗主国であるアメリカもインフレで物価が上昇し続けている。この為に株価があぶないと言う投資家もいる。これがいずれ日本にも大きな影響を及ぼすことになる。これまで100円で買えた物が300円になれば家計には大打撃となって困窮する人々も増加する事になる。
 インフレがいつまでも続くかというと、そうではない。紛争戦争が始まると解消される事になる。それまでは我慢が必要である。
 

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