中国共産党内で嫌われても独裁的政治姿勢を追及する習近平

 2021年11月17日、中央党校(習近平派の陳希党中央組織部長が校長)の機関紙である学習時報は、習近平を称賛する歴史決議全文が明らかにされた翌日の紙面で、毛沢東のワンマン極左路線を是正した鄧小平を礼賛する論文を掲載した。
 6中総会で習近平をいくら持ち上げようとも中国共産党内部には個人独裁を嫌う党員は数多く存在する。つまり反習近平派の動きが機関紙に表現されたのである。
 習近平は中国共産党中央組織の中で自分に不都合な委員のポストを変える事は出来ても、共産党員である人物を党の中から排除できないと言う事である。
 それでも習近平は国家主席としてなぜここまで独裁的な政治姿勢をとるのかと言えば、西側の工作を受けて将来中国が分割独立させられることを非常に嫌がっているのである。この為に独裁的と言われようが時間の猶予がある内に西側の工作を阻止したいと考えている。
 西側としても核を保有し、ロシアと組んでいる中国に工作等で揺さぶりをかける事は容易ではない。それは中国の最先端軍事技術は実質的にアメリカを抜いている為である。中国は西側の工作等に対抗する目的で2021年の夏、極超音速兵器の実験で音速の5倍以上の速さで軌道を変えながら滑空する兵器からミサイルを発射しているが、中国外務省の趙立堅報道官は11月22日の記者会見で「再利用可能な宇宙船の技術を検証するためのものだ。」等の説明を繰り返している。
 中国が「極超音速兵器の実験である。」と言わない方が西側にとって疑心暗鬼になり中国と戦うにはこれを迎撃する兵器が必要であるが直ちに開発できないと思わせた方が中国に対する工作の抑止ともなるのである。
 更に中国と連携するロシアのプーチンは、11月4日、「極超音速ミサイルについて、来年にもロシア海軍への配備を開始する。」と発表している。
 習近平には心強い支援となったであろう。

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