防衛は金が掛かり、負担を減らすために軍事同盟を締結する
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2021年9月15日、欧州議会での年次一般教書演説で欧州委員会のウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエン委員長(元独国防相)は「アフガニスタンでの米国主導の任務の撤回とそれに続くアシュラフ・ガニー大統領の政権崩壊が厄介な問題を提起した。」と述べている。更にライエン委員長は、欧州を防衛するための軍事同盟を早急に進展させる事を要請した。
既にNATOが存在しているのに欧州軍事同盟とはどういうことなのか?
一般的に言えば、アメリカ軍のアフガニスタンからの完全撤退に伴い派遣された現地部隊とヨーロッパ各国は大混乱したと言う事である。アメリカはNATO及び欧州諸国とも十分な情報共有をしてこなかった。これらを教訓としてヨーロッパでのアメリカに依存する事からの脱却、NATOのあり方の根本的見直しに向けた動きと言われている。
実際のところは、軍事力による防衛は非常に金が掛かるのである。その為に各国は軍事同盟を締結して軍事費を少しでも浮かせたいのである。
つまり、現在のNATOは防衛費に回す金が不足し同盟軍として機能させる事は困難になっているため、防衛に不安があると言う事である。これはEU政府による防衛費歳出の欠如、EUの東部加盟国によるNATOの弱体化、EUからのイギリスの離脱等が影響している。
防衛面に不安があるからこそ、確実に機能する欧州軍事同盟が必要だと言っているのである。軍事同盟は金がある国が防衛費を多く拠出することになる。そうなるとドイツが一番金を出し、フランスが二番目に金を出す事になり、必然的にドイツの影響力が増加する事になる。
日本も防衛に不安があるために日米安全保障条約を締結している。日本の債務残高はGDPの2倍を超えており、主要先進国の中で最も高く、アメリカの約2倍であるが、何故か借金で貧乏な日本がアメリカに対して思いやり予算と呼ばれる「在日米軍駐留経費負担」をしている。
それでも本当に日本の安全が担保されるのであれば良いが、その可能性はかなり低いと判断出来る。何故か?
韓国により軍事占領されている竹島は本来は日米安保を発動して奪還するか、アメリカが韓国に対して「竹島を日本に返還しろ。」と言えば済む話であるが、アメリカは政治的にああだ、こうだと屁理屈をこねて動く気配はない。もし、あなたが困っている時に親友と称する人物が何も助けてくれなければ、今後の付き合いをどうするかと言う問題が出て来る。