ドイツ首相の交代で中国、ロシアとの関係は
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2021年12月8日、ドイツでは中道左派の社会民主党のオラフ・ショルツ氏が新しい首相に選出された。これまでのメルケル首相はロシア、中国とも良好な関係を維持してきたが、今後のヨーロッパ各国、アメリカ、中国、ロシアとの関係は変化するのであろうか。
出身を見る限りではメルケル前首相は旧東ドイツ出身で東側である。当然、当時の関係からロシア(旧ソ連)ともコネクションはあったと思われる。
ショルツ新首相は旧西ドイツ出身で西側であり、欧米との関係は、今までのロシアと中国の関係以上に重視して行くのであろうか。
歴史的に見るとドイツと中国は第一次大戦前から軍事と経済では良好な関係にあった。現在は、中国が輸入する自動車の約30%はドイツ車である。貿易が比重を占めるドイツにとって中国は極めて重要なマーケットである。またドイツにとって輸入先である中国はオランダに次いで2番目になっている。金儲けが正義である資本主義国家としては無視できない存在が中国である。
こちらが入手している情報では、「ドイツ新政権のロシア、中国との関係は変化はしないと言う事である。ただし、海外のメディアには欧米と連携し、メルケルの首相時代よりもロシアと中国とは距離を取っている様に見せる。」と言う事である。
その流れが、12月13日、ドイツ海軍のフリゲート艦「バイエルン」と海上自衛隊護衛艦「ゆうぎり」が沖縄南方で共同の戦術訓練を実施したという報道である。ドイツは中国の海洋進出を念頭にインド太平洋への関与強化を打ち出しているとしているが、裏の動きも見ておく必要がある。表の動きだけで判断していては情報操作により状況判断が狂わされるのである。