日本の福島第一原発処理水放出は適切なのか
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2023年7月4日、岸田総理はIAEAのグロッシ事務局長と面会し包括的な評価結果をまとめた報告書を受け取った。
日本は処理水についてトリチウムの濃度を国の基準の1/40未満(WHOが示す飲料水の基準の1/7程度)に薄め放出するとの基本方針である。
IAEAの包括報告書の主要な部分は
ALPS(多核種除去設備)処理水の海洋放出へのアプローチ、並びに東電、原子力規制委員会及び日本政府による関係する活動は関連する国際的な安全基準に整合的であると結論
東電が現在計画しているALPS処理水の海洋放出が人及び環境に与える放射線の影響は無視できるものと結論
これに対する中国の呉江浩駐日大使は、日本政府はIAEAの報告書が発表される前に放出を決めていたと指摘して「科学への尊重がみられない」と非難し、IAEAは「海洋環境や生物の健康への長期的影響を評価する適格な機構ではない」、「日本側は海への放出を止め、科学的で、安全性や透明性を担保し、各国が納得できる処理を検討するべきだ」と述べ日本側の海洋放出の正当性や合法性を説明できるものではないと主張した。
韓国のカン・ミングク首席報道官は「IAEAの調査団が約2年間にわたり検証した結果であり、韓国も国際社会の中枢国家として謙虚に受け止め、冷静な分析をもとに冷静に対応しなければならない」と発言した。
2023年8月10日、ハッカー集団アノニマスは福島第1原発の処理水海洋放出に抗議するとして、日本の原子力関連団体のウェブサイトにサイバー攻撃を仕掛けた。
アノニマスは取材に対し「日本政府の処理水放出の意思決定に市民が参加しておらず、透明性がない」と攻撃理由を明らかにした。
IAEA包括報告書の通りに日本の福島第一原発処理水放出は正しいのか? それとも中国の主張が正しいのか? について述べる。