シリア アサド政権の崩壊により中東では何が始まるのか、他の地域への影響は

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 2024年12月8日C早朝、シリア アサド政権は崩壊した。
 この2ヶ月前にイラン当局はアサド大統領に「ハヤット・タハリール・アル・シャーム(HTS)が活動を開始する準備を開始している。」と警告したが、アサド大統領はその警告を否定した。
 トルコ外務大臣はイランに対し、「何も起こらないと保証した。」が、それは嘘だったことが判明したとイラン当局が述べた。
 当然、ロシアもこの情報は把握していた。しかし、アレッポ陥落後アサド大統領には権力を維持する意図がないことが判明した。
 そこでロシアとUAEがアサド大統領を説得して辞任する事を承諾させた。

 HTS には、「聖戦士シリア」国家を建設する重要な目標が存在し、そのために「我々はトルコ、米国と協力する意志もあり、イスラエルと協力する事さえ視野に入れていた。」と発言している。

 今回のシリア反政府武装勢力はイスラエル、アメリカ、トルコに支援されたものである。恐らくNATOも背後に存在している。NATOがウクライナ紛争に介入する際に有利なためである。

 クリントン政権時の国家安全保障問題担当大統領補佐官であったアンソニー・レイクは「民主主義の拡大こそがアメリカの世界戦略だ。」と発言している。 
 西側は金儲けの為に民主主義を旧東側等に拡大した結果、バルカン半島では民族浄化が有名となったユーゴ紛争、アラブの春、ウクライナ革命が起きて不安定化も増加した。
 これまでリビア、イラク、アフガニスタンに対して同様の事をして来た。
 つまり、欧米が理想を押しつけてくる背景に何があるのかを考えなければならない。日本にも夫婦別姓、LGBTQ、移民等が要求されているが何を目指しているか考えるべきである。文化を破壊するために仕掛けているのである。

 シリア アサド政権が崩壊するとイスラエルは、シリア国内の様々な目標に対して
100回以上の空爆を開始し、シリア南部では地上作戦を開始した。
 ネタニヤフ首相はIDFに対し、 緩衝地帯( 1967年からイスラエルが占領しているシリア領土であるゴラン高原)に入り、完全に占領するよう命じた。
 IDFの戦車、装甲兵員輸送車、装甲ブルドーザーがゴラン高原のマジダル・シャムスのドゥルーズ派村近くでシリア国境を越えゴラン高原のシリア陣地を占領し領土を拡張している。

 12月3日(シリア反体制派が中部の主要都市ハマ付近まで前進)、トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領は、シリア紛争の再発について電話で協議した。
 この時、トルコはシリアの領土保全を支持しており、同国における公正かつ持続的な解決を目指していると伝えている。

 関連情報:「NATOのロシア攻撃開始は1ヶ月を切り、その支援のためアメリカとトルコはアレッポに第二戦線を開いた。更に戦線は開かれるのか?その目的は?

 なぜ、トルコがロシアに伝えた内容とは違う行動をしたのだろうか?
 今後、中東はどの様に推移して行くのか?
 アサド政権崩壊は最終的にどの地域まで影響するのか?