ドイツは何故、中国への依存を低減する動きを始めたのか
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2023年7月13日、ドイツ連邦政府は新たな「中国戦略」では中国依存の解消を急ぐ方針を打ち出した。
ドイツは中国をパートナー、競争相手、全体的にはライバルだと言っているが、パートナーよりも競争相手、ライバルに移行している。
特に中国がロシアと関係を強固にし、インド太平洋地域では西側との対立と競争の要素を増大させている。近年は人権問題や海洋進出等に対する警戒感もあるためにドイツは対応の見直しが必要だと強調している。
ハーベック経済相は、昨年、フォルクスワーゲンがウイグルの工場を含む対中投資保証の延長を申請した際、ウイグルでの人権侵害を理由に申請を却下している。
ベアボック外相は「中国市場への依存度が高い企業は、財務リスクをより多く負うことになる」と述べて経済界にも対応を促している。
国家安全保障戦略では台湾に関わる部分に触れていない。
しかし「中国戦略」では台湾海峡での軍事的な行動はドイツと欧州の利害に関わると具体的に記述している。
人権問題についてはウイグル、チベット、香港での弾圧、人種的・宗教的団体、人権活動家への弾圧等について問題視している。
7月下旬には、ドイツのシュタルクワツィンガー教育・研究相が、中国の国費留学生がドイツの研究機関や大学でスパイ行為を行う危険性があることに懸念を示し、研究機関はより警戒すべきだと発言している。
ドイツが何故、これまでと違い中国と距離を置こうとしているのか、その理由について述べる。