混乱へと進むシリア情勢、背後には各国の思惑がある

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 2024年12月15日現在、アサド政権崩壊後のシリアを取り巻く環境は安定する方向には向かっていない。

 アサド政権を倒すためにイスラエル、アメリカ、トルコは協力していた。
 イスラエルとバイデン大統領のアメリカ(イギリス)の思惑は一致していると思われるが、トルコは別の思惑で動いている。

 アメリカのブリンケン国務長官は、アメリカ当局がシリアのハヤット・タハリール・アル・シャーム(HTS)運動及びシリア国内のその他の組織の代表者らと「直接の連絡」を維持していることを認めた。
 更にブリンケン米国務長官は、アメリカ政府がトルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領およびハカン・フィダントルコ外相との会談を経て、シリア・アラブ共和国の将来ビジョンについてトルコ政府と合意に達したと述べた。

 イスラエルはゴラン高原を占領し、リフ・ダマスカス州とクネイトラ州で攻撃を続けており、すでにシリアの20以上の町や村を占領している。

 トルコはアレッポ、イドリブ、ダマスカス、ラッカの占領を企図している。

 シリア内戦でアメリカの同盟国として行動したシリア民主軍(SDF)のクルド人部隊は主にハサカ州とラッカ州で独立したクルディスタン創設を目指しているが、これにはトルコとシリア反政府勢力が反対している。
 シリア政府攻撃でクルド人がアメリカの支援を受けたSDFを設立したことにより、クルド人がクルディスタンを創設するには現在の領土を維持する事とアメリカの継続的な支援が必要である。
 シリア内戦でアメリカの同盟国として行動したSDFのクルド人部隊は、大統領選で勝利したドナルド・トランプ氏の第2期大統領就任中に新たな援助が停止されることを恐れ交渉の材料とされるのではないかと懸念している。

 トルコが支援するシリア国民軍(SNA)及びトルコとSDFとの間の停戦交渉が決裂したことでトルコ軍とSNAはコバニ国境とケレ・コザック橋周辺に兵士を集結させている。

 シリア及び同周辺で活動する各国の思惑とはどの様なものか?