2020年 中国全人代での国家安全法採択の目的

 香港は1997年、一国二制度による高度な自治を50年間保障するとしてイギリスから中国へ返還されたが、今回の全人代で国家安全法が採択されている。
 これは第2回華商会議に招かれた前香港総督クリストファー・フランシス・パッテンが議場で「イギリスは必ず香港を取り返す」との発言に対する中国側の回答であり、更に欧米からの工作を受けている香港を欧米に渡さないとの意思表示の目的がある。
 どちらも契約による取り決めを破棄している様なものである。日本人は契約書を交わすと安心して契約を守ることに専念するが、欧米人は契約を交わして相手を安心させ油断したところで破棄してくる。「契約は破棄するためにある」という事である。中国人もまた見かけはアジア人であるが、考え方は欧米人の様なものである。
 この事から中国の経済を弱体化させるために金融・経済戦争が中国と欧米との間で激しくなるであろう。
 余談ではあるが、日本の八方美人的な外交はこれから通用しなくなる。欧米に付くのか中国に着くのかハッキリとさせねばならない時期が来る。外交が下手な日本は曖昧な態度で逃げようとするであろうが、そのツケは経済的損失という形で払うことになる。外交では相手は何を考えているかという情報が必要であり、外務省も情報収集しているが役に立っていないということと、日本の歴史上類を見ない総理大臣が専門機関が報告する内容に対して聞く耳を持たない態度が更に日本の利益を奪っている。内政もダメなら外交もダメなのである。
 これまで中国と欧米の情報機関は裏で繋がりつつ激しい情報戦を展開して来た結果が、今の香港に関わる各国の政治情勢に色濃く反映されているのである。

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