人間にジェットエンジンを装着して飛行する技術が軍事作戦にもたらす変化
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2020年9月30日、イギリスのベンチャー企業でジェットスーツ(ジェットエンジンを腕に各2、背中に2)を開発したGravity社とイギリスの山岳救助隊が協力し、崖から落ちた少女を救出するとの想定で救助訓練をした。現場までは徒歩で約30分の距離をジェットスーツでは90秒で到着した。性能は時速約50km(理論値320km)、高度約3600mまで上昇可能である。
一方で2018年10月14日、フランスのザパタ・レーシングは、ザパタ・フライボード・エアー(ジェットターボエンジンを4、タグッテドファンを2)を装着して富士スピードウェイでデモ飛行を展示した。性能は最高時速約150km、飛行可能高度は約3,000mである。
普通の日本人にとっては、これらの装備品は人が空を飛ぶという夢を叶える物であるが、欧米人にとっては、軍の運用を根本的に変える物であり、既に軍事利用の研究も始まっている。人間に装着する飛行装置は空挺作戦は航空機から落下傘を利用して降下するものから飛行装置によるものに変わるし、ヘリボーン作戦も変わる。またこれまでの歩兵は戦闘車両あるいは徒歩により移動していたものが、低空を空中移動しレーダに捉えられずに高速で移動でき、森林の上空または森林内を低空で飛行すれば直接照準火器等からも照準されずに移動し、これまで接近が不可能であった地形を克服して急襲的に敵の背後に回ることも可能で、大規模な数の飛行装置導入は地上作戦の概念そのものを大きく変化させることになる。
陸上自衛隊の戦い方は未だに突撃による攻撃を捨てきれずにいる様であるが、今から研究しておかなければ必ず後手に回ることになる。そしてテロリスト等の手に渡ればテロ攻撃の方式さえも変化し、これまでの警備方式では対応できなくなることは目に見えている。