東日本大震災でメルトダウンした福島原発は当時、デブリの回収は可能であった。

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 政府は福島原発 汚染水の海洋放出を11月以降に延期すると発表した。延期の理由は書面で寄せられた意見約4000件の半数以上が安全性を懸念するものであり、合意プロセスに対する懸念も1/3以上であったことによる。汚染水の海洋放出をしなければならない直接的な原因として、当時、メルトダウンした以降、沈下するデブリへの対策処置が全くなされなかったためである。
 実はメルトダウンが予想される時期に原子力関係者は、ある人物を訪ねてメルトダウンに対する処置対策方法を聞いているのである。その人物は「縦穴を掘って、その後、デブリが沈下してくる地点までシールド工法で横穴を掘り、容器で受け止め、鉛で封じ込めてから回収をすれば良い」と回答した。関係者は「持ち帰り会議に諮ります」と言って帰ったが、最終的に東電、保安院、安全委員会そして民主党の菅政権も動かなかったのである。 
 この地下で受ける方法は不可能ではなく、早めに対応すれば地下水脈までデブリは達せず、セシウム、ストロンチウム等をまき散らして東北と関東を汚染せずに、汚染水も発生することはなかったのである。
 そして今回の汚染水の海洋放出も汚染水を保管する土地が足りないという理由であるが、実は土地は十分にある。結局、海洋放出は予定のシナリオどおりということである。問題は地下に潜ったデブリへの処置が全くできないことであり、デブリは今後も更に沈下して地下深くまで達し、海底に直接噴出する深層の地下水脈に接した以降は、海洋を汚染し続けることになる。
 世界的に原子力発電所の廃炉が進む中、本家のアメリカも原子力からの脱却に動き始めているが、日本には原子炉の稼働を要求しているのである。不思議なことに日本の原発は全て活断層の上に建設させられている。 今後も似た様な原子力災害が日本で発生する可能性は高いのである。

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