RCEPからインドが抜けた意味
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2020年11月15日、日本は地域的な包括的経済連携(RCEP)に署名し、中国と韓国に対して自由貿易協定も結ぶ事になった。しかし、インドは交渉から離脱した。
RCEPは中国にとって有利な立場にある。なぜかと言うと中国では内乱が発生するたびに大量の移民が発生して国外に出て行き、移民先で華僑として経済に関与している。彼等は国外に住んでいても心情的な故郷は大陸なのである。そして中国に住む者達は現在まで移民した者と血筋としての関係を維持している。交流している血筋の者が居住している国はインドネシアを除くASEANの各国に存在する。それ故に中国は有利な立場でRCEPを仕切ることが可能である。ここで面白いことにミャンマーには韓国が絡んでいるが、韓国の裏には中国が存在し二重構造となっている。
しかし中国に対して面白くないのはイギリスである。中国が中英共同宣言(1984年)を無視して、香港に「国家安全維持法(国安法)」を施行したことで対中強硬姿勢が明らかになった。イギリスの空母打撃群が極東に派遣されるのもその一貫である。そしてインドはRCEPの影響を抑える西の防波堤の役割を担う事になった。もちろん情報機関を持つ中国はこの事を知っている。
更にインドと共にインド洋のココ島に存在するアメリカ軍基地を結ぶ線が中国の西へと拡大するRCEPと海のシルクロード(一帯一路)を押さえる要域となる。
インドがRCEPから抜けたのは単なる経済的な問題では無く、軍事も絡んでいると言う事である。
もし日本政府がアドバイスを聞くという前提で話をすると、日本はRCEPに加盟し、アメリカとは日米貿易協定を結んでいるが、中国あるいはアメリカのどちらかだけに両足を乗せるのではなく、中国とアメリカの両方に片足を乗せておかなければならない。そうする事によりハシゴを外されても対処可能となる。
だが、間違いなく日本の情報機関は機能せず、首相を始めとする政治家も何も決断せず、日本に有利なる事は何もしないであろう。