米軍はアフガンから8月末までに撤退するが、その後のアフガンは?
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2021年8月10日、ブルームバーグ記事によると、バイデン米大統領はアフガニスタン国内で反政府武装勢力タリバンが攻勢を強めているものの、同国からの米軍撤退を撤回する計画はないとの考えを示した。約20年に及ぶアフガニスタン駐留の結果、米軍の死者は2448人、負傷者は2万1000人近くに上る。
アフガニスタンで勢力を拡大させている反政府武装勢力タリバンは9日、北部サマンガン州の州都アイバクを制圧した。これで北部のクンドゥズ、南西部のラシュガル・ガー、南部のザランジ、北部のサリプル、北東部のタロカーンの6州の州都がタリバンの勢力下に入った。
バイデン大統領は、タリバンが再びアフガニスタンを制圧することは避けられないわけではないと主張し、アフガン政府がはるかに大規模で、技術的にも優れた軍隊を有していると指摘したが、タリバンは迅速に占領地域を拡大している。
これは何故なのか? 本来、駐留していた軍が撤退するには反政府勢力を潰してから撤退するのが筋である。潰さないのはズルさがある。大国が絡んだ紛争国はずっと紛争状態が続くことになる。
その理由として、既にアフガニスタンにはアメリカ、ヨーロッパ、ロシア等の世界の武器商人達が入っているのである。しかも、今の武器商人達は年寄りではなく特殊部隊上がりの比較的若い連中である。そしてタリバンも武器入手の為の独自ルートを持っている。間に入るのは武器商人達でありアメリカ製、ヨーロッパ製、ロシア製等のありとあらゆる武器をタリバンに供給することになる。支払いは麻薬と現金である。武器商人達はアフガ二スタン政府にも武器を売りつけるのである。
紛争を起こし金儲けをする為には、軍を駐留させるか、武器商人が現地に入るかのどらかが存在すれば良いのである。金儲けのシステムには紛争を起こすことが組み込まれている。これが、前述した ズルさがある ということである。
タリバンは国外にも多数派遣されており、隣国タジキスタンは国境強化のために自国の軍隊を動員し、ロシア政府は、タジキスタンの安全を強化するために武器を提供し、軍の近代化を支援していると言っているが、これも金儲けが絡んでいる。
パキスタンにもルートを持つタリバンが侵入している為に今後、パキスタンも内戦となる可能性がある。
アフガニスタンの様な紛争国における軍の派遣と撤退に関して国家間で議論して、こうすべきだとの答えを出しても無意味なのである。金を儲ける事が正しいと言う思想が変わらなければ世界中で起きている紛争、環境、ワクチン等の問題は何も変わらないのである。
では、紛争国だけが被害を被っているのかと言えば、それも違うのである。第二次大戦における戦勝国と敗戦国の関係は戦後76年が経過しようと変化していない。
日本は敗戦国であり、アメリカ軍への基地の提供、工業・科学・製薬・電子技術分野等で開発したものをアメリカに吸い上げられ、国際資本・国際金融会社に利益を吸い上げられて理不尽な要求を呑まされる等でアフガニスタンとは別の形態で被害を受けているのである。