タリバンが日本人のアフガンから退避を望まない理由

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 2021年8月26日、タリバンの報道官は「我々は、日本人のアフガニスタンからの退避を望んでいない。しかし、自衛隊は退去してほしい。」、「友好的で良い外交関係を維持したい」と発言したが、その狙いは何処にあるのだろうか?
 一部では「日本人を人質にして、何かの要求を出すのであろう。」等の発言が認められるが、日本人を人質としても日本政府を動かすことは出来ない。アメリカの言う事を聞くのが日本である。首相はアメリカに対して忖度し、官僚は首相に忖度しているため、日本を動かすためには先ずアメリカと交渉し合意を得なければならない。
 タリバンが考えていることは、旧政権を追い出したとしてもタリバン内部も一枚岩でなく、それぞれの派閥をヨーロッパ、アメリカ、ロシア、中国の武器商人が支援しており、北部には武力で対抗可能な反タリバン大連合を築きたいと考えるアフマド・マスードが存在するためにアフガニスタンは内戦が続くと考えている。そして荒廃したアフガニスタンを復興するには、国内のインフラ整備が必要で、それをしなければ人心を掌握する事は不可能と理解している。
 この復興に必要なインフラ整備をして貰いたいのが日本なのである。「友好的で良い外交関係を維持したい」と発言した理由である。
 しかし、日本人として考えなければならないのは、日本人を必要とする派閥があれば、その派閥が有利にならない様に日本人を不要と考える派閥もあると言う事である。最悪の場合、日本人を不要と考える派閥は殺害に及ぶ可能性もある。その派閥を支援する国が復興の利権を手に入れようとすれば、最悪の手段に訴える事も忘れてはならない。
 思い出して貰いたい。イラク復興支援活動に向けて動いていた際、イラクで銃撃を受けて奥克彦大使と井ノ上正盛一等書記官が殉職した不審な事件があった事を。
 日本人をアフガニスタンに残す、残さないの判断をする場合と、残した場合でも安全を確保するためには現地及び周辺国でのインテリジェンス活動が必要なのである。

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