クリミア併合を容認せず、非難し続けるとしているウクライナ政権にプーチン大統領はどうするのか

 2021年8月23日、ウクライナのゼレンスキー政権は南部クリミア半島の奪還を求める国際会議「クリミア・プラットフォーム」(40カ国以上の国と国際機関の代表者が参加)において、「クリミア併合を容認せず、非難し続ける」との共同宣言を採択した。
  また、クリミア半島での軍備増強や人権侵害をしているとしてロシアを厳しく批判した。同会議に、米国はエネルギー長官、日本は駐ウクライナ大使、欧州諸国は首脳や外相クラスの者が出席した。
 当然、ロシアは会議に強く反発し、ペスコフ大統領報道官は「ロシアに非友好的な行事だ。会議でのいかなる声明も受け入れない」と発言し、外務省のザハロワ報道官も「参加国を記録し、しかるべき対応をとる」と警告した。
 では、ロシア大統領のプーチンは、ウクライナの動向に対し、どの様な考えを持って動いているのか?
 プーチンはウクライナとは、仲良くしておくだけで良いと考えているようである。その為、本来であれば直接リトアニアを口説けば良いのであるが、出来ないために天然ガスのパイプラインでドイツと話を付けたのである。バルト3国は中世までにドイツ文化に影響を受け言語と習慣もドイツ化している為である。
 バルト海底を経由してロシア・ドイツ間をつないだ天然ガスのパイプライン「ノルド・ストリーム」が建設されたのも、その理由の一つである。また、ドイツも金儲けをする為に中国を北側から見る事が必要で、ロシアの地理的な特性がそれを可能とする事を利用するのである。
 これに対しアメリカは、ドイツがロシアに取込まれるのではないかと怖がり、トランプ前政権もバイデン政権もパイプラインがヨーロッパ各国のロシアへの依存度を高め、ロシアの影響力の増大につながると強く反対しているのである。
 本来、外交交渉は相手国と直接交渉が不可能な場合に、影響力を持つ国と交渉するのである。

 最後に余談であるが、ロシア・ドイツの交渉とアメリカの「ノルド・ストリーム2」に対する反応で見えてくることは、ドイツは第二次大戦での敗戦国の立場を卒業したということである。日本は未だに敗戦国の立場から卒業出来ていない。イタリアは卒業した様にも見えるが、ユダヤ人が国外に出てしまった事により、かつての力は持っていない。
 
 
 

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