米中両大国の対立が台湾情勢に影響を与えているのか

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 2023年6月11日、人民解放軍空軍の戦闘機×10が台湾海峡の中間線を横切り、人民解放軍海軍艦艇×4が台湾海峡で哨戒活動をしている。
 その他にも数種類のドローンを台湾の防空識別圏(ADIZ)に頻繁に侵入させている。有人機とドローンとの編隊を組み飛来している事から連携能力を向上させる狙いがあるとしている。

 なぜここに来てアメリカと中国は対立しているのか?
 ニュース報道等によれば、1990年、アメリカは世界の半導体生産のシェアの4割近くを握っていたが、その後、低下を続け、現在は約1割である。既に生産量では中国に追い抜かれてしまっている状況にある。
 先端半導体の量産技術でも、長年、大手のインテルが、現在では台湾のTSMC、韓国のサムスン電子に敵わない状況にある。半導体はハイテク兵器の性能そのものを左右するのであるが、アメリカは先端半導体が製造できなければ軍事力の低下を招く事になる。
 アメリカとしては中国が今後、先端半導体の技術を自分のものにして国内生産に移行すれば有事の際にアメリカ軍が負ける状況になると考えているのである。

 そこでアメリカが打ち出したのが、AI、スーパーコンピューター、最先端兵器に使用可能な製品である自国の半導体製造装置、ソフトウエアを中国に輸出する事を大幅に制限するものであった。日本メーカーが中国に製品を輸出する場合でもアメリカの技術が使われていれば許可なしに輸出ができなくなる方式である。

 中国が台湾を封鎖、武力攻撃をした場合、台湾が半導体を生産出来ない状況になる可能性が高い。その結果、世界の製造業は崩壊する事になる。ロシアのウクライナ攻撃で半導体が不足し自動車業界は注文を受けても納車は半年先、1年先という状況がもっと悪化するのである。

 このためアメリカは台湾を支援すると声明を出し、中国は対艦兵器、長距離ミサイルへの対処をする事でアメリカの台湾支援を無効化する事を考えていると言われている。

 今回は台湾情勢に関する裏の話をする。