なぜ日本の映画、テレビは警察ものが主で海外は軍事、スパイものが主なのか

 日本のテレビドラマは警察ものがほとんどであるが、理由は様々あるとしても大きく三つの要因があると思われる。
 一つ目は、諜報が主体のドラマを見ることによって、国際社会の裏側が垣間見られ、現実世界の出来事と符号する部分が、なんとなく分かるため日本人をバカな階層にに留め置きたい勢力からすれば、日本人の知的好奇心を刺激することにより隠している世界を知る切掛を作りたくないと言うことが上げられる。
 二つ目に小説家・脚本家にストーリーを考え、登場人物の設定、心理面の描写、台詞、アクション・シーンを書ける人物が居ないに等しいということと、海外ロケに要する時間を短縮し予算内でやり繰りする事が求められる為である。
 過去に、インテリジェンス関連の小説を読んだが、ほとんどの作品は、複数の線が絡み合うものではなく奥行きが感じられないものが多かった。人物描写は十分すぎるほど書き込まれていたため、少し残念な気もした。日本人で唯一良かったと思った小説は、題名は伏せるが落合信彦氏が書いた作品に一つだけあった。やはり国際社会の裏を知らなければ書けないということであろう。
 三つ目に受け手の反応があると思われる。これはインテリジェンス小説を読むと少し難解で途中で挫折してしまうということである。テレビドラマにすれば視聴率を稼げないと言うことで、放映されない可能性は高くなる。
 海外の諜報、軍事映画はやはり面白く引き込まれるものが多い。実は海外の映画は10本に1本の割合で表に出ない裏の話が出てくるのである。興味がある人は分かるであろうが、今後は今まで見なかった人にも海外の諜報、軍事映画をお勧めする。今の不具合な現況は何がそうさせているのかヒントが得られると思う。欧米人は元々謀略を駆使し戦争をしてきた歴史の積み重ねがあるため諜報、軍事映画は受け入れられるのである。逆に日本人はそのような歴史が浅いため日常からかけ離れたものとして現実感がないためでもある。
 参考までに、警察は事件になれば本格的に動き出す組織であるが、事件発生により聞き込み等の情報収集をして分析し、犯人逮捕という流れで事後の処理がメインとなる。諜報組織は未だ発生していない事を探求する為に、情報収集をし、分析により起きる公算が高いものを決定する事前の処理がメインとなる。つまり優秀な諜報機関を持つか、持たないかの違いが危機管理の対応に大きく影響することを理解して頂けると思う。
 
 

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