楽天、ソフトバンクが農業に参入した理由
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2007年3月12日、楽天は株式会社テレファームを設立し、2020年1月1日楽天農業株式会社に社名を変更した。ソフトバンクはグループ企業として2015年7月7日アソラテック株式会社を、2016年7月15日リデン株式会社等を設立して農業に参入し、スマート農業ソリューションを活用して生産者の安定収入確保や新規就農者の育成・独立支援も行うとしている。確かに彼等は販路を全て押さえているし、宣伝もするため新規の個人農家としても便利であろう。
そしてこれに伴い各紙の記者は、大企業が農業に参入することにより省力化と高収益化を実現する等の記事を書いているが、これまでマスコミ等が応援・推進した事業は本当に国民の為になったのであろうか?郵政民営化はどうであった?、住民にメリットがあるはずの水道事業民営化は、ある地方ではの民営化により水道料金が高くなっている。民営化の背後にはグローバル化という市場開放が進められてきた。印象操作する報道を基準に個人が適切に判断することはほぼ無理な時代であり、今流れているニュースでさえもほとんどがフェイクである。
彼等が農業に参入したのは、アメリカからの資本と指示が楽天、ソフトバンク等の大企業(参照:主要新規ビジネス全てがアメリカの承認を受けなければならない日本)に流れているためである(もちろん彼等は否定するであろう)。大企業は農協と同じであり、個人から利益をピンハネすることになる。
しかし農協が機能しなくなったのは利益を上げなければならない組織に変えられたためである。全国の後継者のいない農家は農地を宅地に転用、売却し、兼業収入や年金収入だけでなく、農地を転用して得た年間数兆円に及ぶ利益をJA農協バンクに預金した。80兆円以上と言われるその金は農家の人達には約2%しか使われていない。約30%は地元地域の名ばかりの順組合員に住宅ローンとして運用し、約70%は農林中金がアメリカのウォール街で運用している。その他農協保険事業も大手保険会社に匹敵し、農産物や生活物資の売り上げは中堅の総合商社に匹敵する巨大組織である。
本来、農協は農業をする人達を支援する事が目的の組織であったが利益を出すために脱農業をさせ、残った農家に高額の肥料、農薬、トラクター等の販売でピンハネしているのである。
今後、農協に代わる大企業が農協と同じ様に農家からピンハネしても個人レベルの被害であれば国家として本気で救済しようと思えば可能である。しかし、大きな問題となるのは最終的に日本国内の農地と農業を外資が手に入れることである。今でさえ食糧生産量は自給自足のレベルとは遙かに離れているが、国内生産した食料を高級食材として海外に輸出した場合には、自給自足レベルは更に低下する事態となる。そして、両企業共にこの事に気付いていない。
日本の政治家は国民の為に自分で考えて判断することができずに責任も取れないため、誤魔化しのため有識者会議というシステムが存在している。だから政治にも期待出来ない日本であり、食い物にされるだけである。