中国とロシアが中央アジアで勢力を伸ばす事が出来たのはパキスタンの働きである

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 2021年1月20日、シッキム州北部ナクラ地域国境で中国軍とインド軍による衝突が発生したが銃器は使用されず棒や石が使用された。
 パキスタンにとって中国とインドが国境地帯で衝突する事は都合が良いのである。この事を念頭に置きパキスタンは、インドを牽制するために中国と中東諸国(タリバン含む)を結びつける仲介の役割を果たした。このために中国とロシアにとってパキスタンへの評価と信頼性は今まで以上に高いものになっている。
 ロシアも中国と組んで北極海航路の利用を進める事は対ヨーロッパ戦略で有利となる。これまでのヨーロッパとアジアを結ぶ航路の経済的価値は北極海航路と比較すると距離的・時間的に著しく非効率的であり利用船舶数は低下する事になる。経済的に大きく影響を受けるのは地中海・黒海に面したヨーロッパ諸国で、これに連動してサウジアラビアの戦略的地位は低下して来る。
 中国とロシアが中央アジアで勢力を伸ばし権益を手にする事は、アメリカにとっては面白くない事とになる。9.11を理由にアフガニスタンに侵攻し中央アジアの地下資源を欲しかったのはアメリカである。 
 そこでアメリカはサウジアラビアに代わる役割の国としてインド、オーストラリア、日本を巻き込みインド洋等で共同訓練を繰り返しているのである。ただし、オーストラリアの位置づけは純軍事同盟的な行動が主では無く別の目的も存在する様である。
 それでも現在の米日印豪の軍事態勢では、インドが北部から地続きである中国の圧力を受ける事は確実であり、何かの処置が必要である。
 そのために海のシルクロードで中国と紛争をする尖兵を出す必要性が高まっているが、何処の国がその役を負わされるのであろうか? 読者の皆さんはお気付きであると思う。

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