ミャンマー国軍クーデターの背後に潜む国家
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2021年2月1日、ミャンマー国軍のクーデターにより、ミン・アウン・フライン国軍総司令官に全権力が委譲され事実上の国家指導者となった。この背景には何があるのであろうことか?
これまでミャンマーには中国マネーと中国の手先である韓国からのマネーが流入していたが、ミャンマーでは財閥が育たず代わりに西側の企業が多数進出してきた。ここで面白くないのは中国である。ミャンマーは中国の一帯一路にとって緊要な国であり海路・陸路ともにどちらのルートでもOKな国である。
中国にとって西側の企業が多数進出するということは中国マネーの価値が目減りし、一帯一路に支障が出て来る可能性があったのである。そのために背後からミャンマー国軍を操りクーデターを起こさせたのである。中国からミャンマー国軍への見返りは何が提示されたのかは不明である。
そして、アンサンスーチーはイギリス留学をし、逝去した旦那はイギリス人であった。中国にとって英統治時代最後の香港総督クリス・パッテンは「香港を取り戻す」と主張したこと、イギリス最新鋭空母がインド太平洋に進出するために海の一帯一路が危険にさらされること、香港の金融ハブとしての機能が揺らいでいることからイギリスと繋がるアンサンスーチーでは反中国の政策を出す可能性も否定できず、中国の利益にならないと判断したことによる。
少数民族であるロヒンギャの問題を理由にする方も存在するが、ミャンマーと中国にとって大きな問題ではない。第一次大戦から第二次大戦までのバルト3国の歴史を見ればヒトラーとスターリンの狭間で大量虐殺とシベリアへの強制移住をさせられている。同じ言葉を話したとしても少数民族は常に迫害されている。救いの手を差し伸べるのは博愛に満ちた人道的な立場ではなく、政治的に利用するためである。悲しいことにこれが事実である。
ミャンマーの反政府軍というのも有るが、これは国軍に向かう勢力である。反政府軍はアンサンスーチーを打倒する為とも聞いていたが、国軍のクーデターによりスーチーは打倒された。反政府軍は中国共産党とは異なる勢力の華僑が金鉱山の収益で支援しているとも言われている。ゴールド、麻薬、人身売買などダークな地域でも有る。その反政府軍が国軍と対峙する事となれば、その意味が中国内部の権力抗争であるかも知れない。